最近強く興味を持っているテーマの一つに、どのようにしたらデジタルスキルを身につけ、学習し続けることができるか、があります。自分自身のスキル習得機会として、またそうしたスキルを必要としているビジネス、行政、NPOの現場、シニア層、次世代に向けた若年層などにどのように学びを共有できるか、という点も意識しているところです。

そんな興味もあり、先日偶然目にした以下の無料講座を最近受講しています。

「AI For Everyone(すべての人のためのAIリテラシー講座)」と題した講座は、米国老舗オンライン学習プラットフォームのCoursera上で無料で提供され、講師はCoursera共同創業者・会長で人工知能分野の権威として知られるアンドリュー・ン(Andrew Ng)氏が務めています(全編約5時間のコンテンツは全て日本語字幕付きです)。「日本におけるAI活用」等、日本ディープラーニング協会が制作し、東京大学松尾豊教授が講師を務めるコンテンツも含まれていて、エンジニアでない普通の方でもAIについての基本的な理解を得るための教材としてとても分かりやすく構成されてます。

日本版としてリリースされてから約1ヶ月で既に1万人近い人が受講していて、例えば企業のGMOメディアでは、研修用コンテンツとして技術者に限らず、受講を希望するパートナーに対して受講費用負担するなどの取り組みが見られます(有料の「修了証付きコース」受講にかかる費用($49)の会社負担)。

自分自身はまだ講座の2週目を終えたところですが全講座を終えたらまた報告したいと思います:)

以前にドキュメンタリー番組で観たものの記憶がおぼろげになっていた以下の番組も現在ではYouTubeの日本語自動翻訳の精度が高まっていることでとても見やすくなっているようです。機会を見つけてこちらも見返してみたいと思います。

・YouTubeオリジナル「The Age of A.I.」 俳優のロバート・ダウニーJr.がナビゲート役として登場し、各国、各分野の様々なAIの活用事例を30分〜45分程度の番組8本で紹介する内容です(2019年12月公開)

アメリカの公共放送PBS制作のドキュメンタリー番組(In the Age of AI)。こちらも2019年12月に放映されたものです。コロナウィルスが猛威を振るう直前、こうしたAIに対する興味関心がとても高まっていたことを感じます。

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日々仕事や趣味でパソコンに向かっている中で、気づいたらウェブブラウザーのタブが20個、30個…と大量に開いていて、動作が重くなったり、探しているタブが見つけられないと感じる人はいませんか?

私自身もそんなことを頻繁に感じていました。ちょうど1ヶ月ほど前に今回ご紹介するブラウザ管理ツール『Workona(ワーコナ)』を見つけ、使ってみて、毎日とても便利と感じていることもあり、今回書き留めて置こうと思います。


モバイル市場データプラットフォームを提供する App Annieによるデータ

コロナ禍で在宅時間が増え、スマートフォンでSNSやYouTube、そしてNetflixなどのアプリの利用時間が増えれば無理もないかもしれません。

モバイルアプリデータ分析サービスのApp Annie(アップアニー)がまとめたレポートによると、2019年第1四半期から2021年第1四半期にかけて30%増加し、世界平均で1日のうち4.2時間をアプリ利用に費やしているそうです。

ただ以下のグラフを見ると日本は1年前に比べスマホ滞在時間がやや減少している点がやや気になるところです。あくまで目安、参考情報としてこういう記事に接する必要があると改めて感じます。


先日偶然自宅近くの書店で平積みされていた本のタイトルが気になり、そして著者の名前を見てすぐにジャケット買いをした新著『カルトブランディング〜顧客を熱狂させる技法』(祥伝社新書)を読んでみました。

カルトブランディング〜顧客を熱狂させる技法(田中森士著)

熊本を拠点に国内外を軽やかに渡り歩きながら「コンテンツマーケティング」のコンサルティングに取り組まれている著者、田中森士さんは以前からご縁があり、その活動に注目している存在です。本書は「カルト」をタイトルにしていることで「どきっ」とする方もいるかもしれませんが、ビジネスのマーケティング戦略、そして自分自身をブランドと捉えて働き方や生き方を考えている方にとっても、たくさんの参考になるヒント、視点が紹介されている良書であると感じました。田中さんは元新聞記者ということもあり、海外カンファレンスでの体験や現地取材、ブランド企業の担当者への取材を踏まえ、とても読みやすい文体と分かりやすい構成でカルトブランディングについての考え方が紹介されています。

「カルトブランディング」とは?

カルトブランディングと聞いてどのような印象を持たれるかはその人が愛着を持っているブランド、サービス、会社などによって異なるかもしれません。分かりやすい例としては多くの「信者」を抱える「アップル」などがすぐに思い浮かぶかもしれません。著者の田中さんがこのテーマを知るきっかけとなったカナダで開催されている「The Gathering」というカンファレンスでは毎年優れたブランドを讃えているのですが、2020年は音楽ストリーミングサービスの「スポティファイ(Spotify)」、「コカ・コーラ」、スナック菓子の「ドリトス」、スポーツ用品の「アンダーアーマー」などが受賞ブランド企業として紹介されています。本書の中でもライダー・コミュニティの存在で有名な「ハーレー・ダビッドソン」、スズキの「ジムニー」などが取り上げられてます。

一方で「カルト」というと、怪しい新興宗教、米国発で世界的にも広がっている陰謀論を信じる「Qアノン」、そしてYouTubeやフェイスブックを巧みに活用して若者をリクルーティングを行っていた「イスラム国(IS)」などの話を耳にしたことがある人もいるかもしれません。最近コロナ禍で話題になりつつある「オンラインサロン」も、素晴らしいサロンもある一方で、金銭的、精神的に搾取されるようなネガティブなコンテキストで語られる事例を思い出す人もいるかもしれません。

もちろん本書ではこうしたネガティブな文脈での話ではなく、イデオロギーが革新的であり、明確な目的やコミュニティを持っている点が大切であるマーケティング・ブランディング手法についての内容が中心となってます。ある種「ファン・マーケティング」、「コミュニティ・マーケティング」にも通じる、「従来の」マーケティング手法が次第に効かなくなってくる状況において、静かに認知が広まっている、まっとうなマーケティング戦略の話であることが読み進めることですぐに分かります。

本書の中では「カルトマーケティング」についてのこれまでに書かれた書籍も紹介されてますが、その中のひとつに「The Culting of Brands」が挙げられてます。同書はかつてAirbnbのグローバルコミュニティの責任者を務めたダグラス・アトキンスさんが広告エージェンシーで働いている時にカルトグループやブランド企業を調査して書かれたものです。2014年に行われたコミュニティ・プロフェッショナルのためのカンファレンス、CMX SummitでのダグラスさんのプレゼンテーションではAirbnbの成長期にいかにカルトマーケティング的な手法を取り入れ、コミュニティと効果的に向き合うことでムーブメントづくりに成功したかについて語っています。ご興味ある方は是非ご覧ください。

本書は新書サイズであり、構成も読みやすいため2時間ほどで読むことが出来ます。が、改めて思うことはこうしたコンセプトや事例に触れる中で自分だから知っている商品、サービス、ブランドのことをふと思い出したり、自分自身のキャリア、或いは関わっている組織を今後どのようにマーケティングしていくか、今どのようにマーケティングされているかについて、棚卸しをしながら内省するきっかけとして優れていると思いました。友人、知人、ビジネスパートナーとディスカッションしてみると新しい発見があるのではないかと思います。

例えば個人的に昨年夏から利用しているノートテイキングサービスの「RoamResearch」というサービスがあります。メモ、Todoリスト、日記、リサーチ等の様々な記録がオンライン上で相互にリンクするということで一部の利用者の間で熱狂的に利用されているサービスです。ツイッターには 「#Roamcult」(国内では #Roam部)というハッシュタグでコアな利用者が活用法や独自関連サービスの開発などを紹介しあって熱狂感を感じることが出来ます。その他にもビットコインコミュニティやニッチなコミュニティを取り上げる「マツコの知らない世界」などにも話が広がるかもしれません。

カルトマーケティングのカンファレンス、The Gathering Global はちょうど今月、4月19日から21日にかけてバーチャル開催されるようです。今年のスピーカーにはネットフリックス、マイクロソフト、ショッピファイ、アマゾン、バドワイザー、カワサキ、ワイデン・ケネディ、マクドナルド等、大手ブランド、企業からのスピーカーが多く予定されているのが印象的です。もはやスタートアップ企業や中小企業だけではなく、大手ブランドもこうした手法に注意を払っていることが伺えます。


人工知能やアルゴリズムが自分の知らないところで個人情報を収集していて、性別、人種、居住地や行動履歴等により思いがけない形で差別を受けたり、不利益を被っていたとしたら…

そんなことを考えさせてくれるドキュメンタリー映画、AIに潜む偏見: 人工知能における公平とは(原題:Coded Bias)(日本語字幕付き)がNetflixで4月5日から公開されていたので観てみました(85分)。

同様のテーマを扱う他のNetflixのドキュメンタリー作品、『監視資本主義:デジタル社会がもたらす光と影(原題:The Social Dillenma)』『グレート・ハック:SNS史上最悪のスキャンダル(原題:The Great Hack)』を観たことがある人は馴染みがあるかもしれませんが、巨大なテクノロジー企業の進化・発展、そして過度な拡張により、様々な負の側面をもたらしていることが、今回も具体的な事例とともに紹介されてます。

特に本作「Coded Bias」が優れていると感じるのは、身の回りに起きうる問題点を世界各地の事例を通じて明らかにし、課題解決に向けた草の根の活動の姿を描いている点です。人工知能(AI)、アルゴリズムに潜む負の側面を考える上で必見の作品として、各メディアでも高く評価されてます。

監視カメラが街中に設置されている英国ロンドンの街角で監視を避けるために顔を覆って歩いている人や黒人の小学生が誤って注意を受ける様子が描かれ、そうした監視行為に対して取り組む市民団体、『ビッグ・ブラザー・ウォッチ』の活動が紹介されてます。また、米テキサス州ヒューストンのある教師が、長年の経験と受賞歴にもかかわらず、アルゴリズムによる評価が恣意的に低くされたことを語り、問題解決に取り組む様子も描かれてます。

作品の主人公はMITメディア・ラボの研究者で、アルゴリズムの偏見の是正などに取り組む団体、アルゴリズム・ジャスティス・リーグの設立者でもあるジョイ・ブオラムウィニ氏で、彼女の活動の軌跡を追う形で物語が描かれています。

作品の中では数多くの活動家、学者、専門家も登場し、AIがもたらす偏見が重要な問題であり、解決に向けた取り組みが求められている点が語られてます。

その中のひとり、グーグルの人工知能(AI)研究者ティムニット・ゲブル氏が昨年12月にグーグルから解雇されたことで、AI研究者コミュニティで大きな波紋をもたらした点も気になる点です。映画公開後に起きたこの「事件」は本作品の中では触れられてませんが、こうして現在進行形でAIと倫理の問題が議論されていることからも、今後ますますこのテーマに注意を払う必要があると感じます。


Photo by Obi Onyeador on Unsplash

新刊本『NewsDiet〜情報があふれる世界でよりよく生きる方法』(ロルフ・ドベリ著:サンマーク出版)を書店で見かけ、気になるテーマだったこともありAudibleで聴いてみました。ニュースを中毒的に読んでしまうことの弊害に関し、「これでもか」と言わんばかりに様々な理由を列挙して一冊の本として紹介されていて、今すぐスマホからSNSやニュースアプリを削除し、ニュース消費を必要最低限にすべき、ということが書かれてます。

率直な感想は、視点としては大事にしておくべき点が数多く指摘されているものの、この書籍そのものが刺激的で強烈な強い意見が込められていて、著者の論理の運び方にも疑問を感じる点も少なからずあると感じました。

まず一般論として、コロナ禍で多くの人が正しい情報を渇望している中で、不安や怒りを増幅させる煽り記事、誹謗中傷、陰謀論、フェイクニュースが蔓延していることが社会問題化していることは事実で、ニュース消費に慎重さを持つべきであることは多くの人が認める点だと思います。

芸能人のスキャンダル記事や、話題になっている時事ニュースに関する広告収益を目的としたまとめ記事など、本当に根深い問題であると感じます。

とはいえ、書籍の中で著者が訴えているような極端なニュース断絶をすべきか、というと、それは言いすぎなのでは、というのが読み終えて感じるところです。注意喚起としての情報としては以下のような参考になる視点が豊富に紹介されてます。

・日々流されるようにダラダラとニュースを読むのはやめるべき
・自分の専門分野や生活に関わるニュースを重視すべき
・短いニュースを全て理解しようとするのではなく、長文記事、書籍を読むべき(雑誌は The EconomistのLeaderのセクション、The New Yorkerなどが挙げられてます)
・調査報道、解説ジャーナリズムは大切
・「ニュース・ランチ」と称して昼食の際に一つのテーマについて15分ずつ自分が興味を持っている分野のニュースを交換し合う機会を持つことの提案

書籍の中でも紹介されているように、著者がかつて英大手紙ガーディアンの記者相手の社内勉強会で持論を展開し、その後著者の考えを記事として公開した『ニュースはあなたのために悪いものである — それを読むことをあきらめることで、あなたは幸せになる』(2013年4月12日)という記事は、今まで長い間、何十万回もフェイスブックやツイッターでシェアされていることが分かります。


Photo by Greg Rosenke on Unsplash

ネットフリックスやAmazon プライム・ビデオなどの動画配信サービスを利用する人が国内外で広がることで、多くの人にとって今まで訪れたことがない国や地域の街や家族や社会の様子、文化、トレンドをより視覚的に知ることが出来るようになっている、と最近強く感じます。

ネットフリックスが先日立て続けに発表した韓国とインド市場への大型投資のニュースはそうしたトレンドがますます加速していく様子が伺えます。

ネットフリックス は2021年に韓国の映画・テレビシリーズ作品に5億ドル(約540億円)を投じるとのことですが、同社が韓国市場でサービス開始した2015年から2020年までの5年間の投資額7億ドル(約760億円)と比べても、いかに力をいれようとしているかが伺えます。

ネットフリックスはまた3月3日、2021の1年間でインド国内で過去2年間の投資額(4.2億ドル)の3倍程度の投資(12.6億ドル=約1,370億円)を行い、41ものオリジナル作品をリリースすると報じています。

国内での動画配信での人気作品といえば『呪術廻戦』、『鬼滅の刃』などのアニメ、そして『愛の不時着』・『梨泰院クラス』などの韓国ドラマの作品名が浮かびます。個人的には海外のドラマやドキュメンタリーに目を転じて見ると、沢山の発見や学びを得られる作品が多く、今年は昨年よりも多くの動画を目にすることになりそうです。

例えば最近観て興味深かかったのはApple TV+で配信している、イスラエルの諜報機関モサドの女性スパイがイランで活躍するドラマシリーズの『テヘラン』です。新聞やテレビのニュースで流れるニュースを見ても文脈が分かりにくいと感じていた中東での出来事も、ドラマを通じてなるほど、と感じることが多くあります。

また、こちらはアメリカの作品ですが、現在アメリカで最も視聴されるケーブルテレビであるフォックス・ニュースを立ち上げ、トランプ大統領誕生、米国の分断をもたらすことに大きな役割を果たしたと言われるロジャー・エイルズという人物についての映画、『ザ・ラウデスト・ボイス』もU-NEXTで放映されてます。

今回は詳細な作品の感想・レビューは割愛しますが、こうしたやや「マニアック」な海外ドラマやドキュメンタリ−番組は既存のサービス内の検索機能ではとても見つけにくい、という課題も感じています。

JustWatchのようなサービス横断型の検索サービスも利用出来るのですが、今後折に触れて気になった動画作品の感想・レビューなども掲載できたら、と思ってます。


2020/2/2に公開されたドキュメンタリー映画「Fake Famous」 (HBO)、日本では未配信

2月2日に米国のHBO/HBO Maxで公開された、Instagramを活用することで「インフルエンサー」になれるかの実験を描くドキュメンタリー作品『Fake Famous』が気になったのでいくつかのレビュー記事を読んだりポッドキャストを聴いた感想をメモとして書いてみます。

まず気になったのは本作品の監督を務めたのがニューヨーク・タイムズやバニティ・フェア誌でテック・ジャーナリストとして活躍し、2014年に邦訳もされた書籍、『ツイッター創業物語(原題:Hatching Twitter)』の著者であるニック・ビリトン氏であることです。早い時期からソーシャルメディアの社会の中での役割をレポートし、業界の知見を持つとされるジャーナリストです。その彼がボットやフェイク画像等を利用することで”人工的に”Instagramの「インフルエンサー」を生み出すことが出来るか、その実験的なドキュメンタリー作品に取り組んだ、というストーリーに興味を持ちました。

本作品は残念ながら日本国内では配信されてはいないのですが、予告動画を観るだけでもその雰囲気は伝わってきます。ハリウッドを舞台に、オーディションに応募した5,000人の中から選ばれたInstagramのフォロワーの少ない「普通の人」3人の主人公にスポットライトが当てられます。自宅の庭や安いレンタルスペースで豪華なリゾート地や飛行機の中にいるかのようなフェイク画像を撮影し、中東やヨーロッパにあるボット販売業者から偽のフォロワーや投稿へのいいねなど偽のエンゲージメントを購入し、インフルエンサーになれるかをカメラが追う、という設定です。

早速監督を務めたニック・ビリトン氏がテレビ番組、ポッドキャストに登場し、作品制作の背景や「インフルエンサー・エコノミー」とまで言われる巨大産業、社会現象に対しての批判的な指摘を述べているのが印象的です。

・米国では87%の子どもが将来インフルエンサーになりたいと言っている。
・「これらすべての現実は、インスタグラムの孤独な1人1人が偽のフォロワーを持っているということです。なぜなら、ボットがプラットフォーム上のエンゲージメントの半分を占めているからです」、とビルトン氏は言います。「私にとって最も驚くべき数字は、インスタグラムで1億4,000万人が10万人以上のフォロワーを持っていて、4,000万人が100万人以上のフォロワーを持っているということでした。じゃあ、1億4000万人が有名だと言うのか?全体がそんなでたらめで、誰もがそれに騙されてしまう。」(Varietyの記事より

ネタバレにならない程度に?作品の中での実験の結果が様々なレビュー記事に紹介されているのですが、登場した3人のうち、女優志望のDominqueさんは指示されるままに積極的にフェイク画像投稿に取り組んだ結果、今では彼女のInstagramアカウントは約34.4万人にフォローされ、ボットを使わなくてもフォロワーが増加したり、実際にサンプル商品のPRを依頼されるなど、「インフルエンサー」になることができたようです。

不動産会社のアシスタントをしていたWylieさん、そしてファッションデザイナー志望のChrisさんは撮影の途中で不安を感じてInstagramアカウントを一時的に非公開にしたり、フェイク投稿をすることに疑問を持ち、インフルエンサーになる実験に後ろ向きになっていった様子が各レビュー記事に描かれてます。ちなみに2人のそれぞれのInstagramアカウントのフォロワー数は約2.5万人(Wylieさん)約2万人(Chrisさん)です。

個人的にはあまりInstagramを利用していないこともあり、肌感覚でこの作品が主張していることがどのくらい事実に基づいているのかは分かりません。とはいえ、実際にボット販売業者から簡単にフォロワーが購入できること、こうした作品が制作され、HBOで配信されるまでにインフルエンサーとそれを取り巻くブランド、ソーシャルメディア利用者がいるという社会現象が大きなテーマになっていることを改めて認識することが出来ました。

一方で、気になったのは監督を務めたニック・ビリトン氏が様々なインタビューの中で何度も語気を強くして訴えている「87%の子どもが将来なりたい職業はインフルエンサー」という指摘の根拠に関してです。

例えば「インフルエンサーレポート」というGenZとミレニアル世代(13歳〜38歳:2,000人)を対象にした調査結果(コンサルティング会社のMorning Consult実施)によると、86%の人は「金銭的な対価が得られるとしたらスポンサード・コンテンツを投稿する」と答え、54%が「もし機会が与えられればインフルエンサーになりたい」と回答しています。このデータを持って「米国の子どもの87%が皆インフルエンサーになりたい」とまで言い切ることに関しては疑念を感じます。


Photo by Van Tay Media on Unsplash

新型コロナウィルスの感染拡大により教育現場、社会人の学びが大きな変化を余儀なくされる中で、よりインタラクティブで学びの成果を得るための取り組みとしてオンライン上で行われる「コーホート・ベースモデル」の学び(Cohort-Based Courses:CBCs)が注目されているようです。

Cohort-Based Coursesとは?

コホートベースの学習は、個人が参加するグループが一緒に教育プログラムを通じて進める共同学習スタイルのこと。eラーニング、そしてMOOCs(Massively Open Online Courses)と呼ばれる、Udemy, Courseraなどの講座との比較される形で最近注目を集めていて、期間が定められていて、人数も限定的で、ワークショップやプロジェクトの共同実践を通じて学習をするしくみ。Slack, Zoomなどを活用することでより受講者、インストラクター、受講者同士のコミュニケーションが用意になっているからこそコースの完了率が高く、学習したことも身につきやすい、と期待が高まっているようです。

CBCs(コーホート・ベースド・コース)という言葉が気になったきっかけは今朝偶然見つけた、最近立て続けにリリースされた2つのプログラムの「募集」告知です。

1つ目は元Airbnbのプロダクトマネージャーで人気ニュースレター「Lenny’s Newsletter」を運営しているLenny Rachitskyさんによる講座Accelerate Your Product Management Careerです。

3週間に渡ってワークショップスタイルで行われるスタイルの講座の費用は950ドル。5分程度で終了するというアプリケーションには自分のジョブ・タイトル、会社のURL、LinkedinのURL、講座で得たスキルで実現したいこと、週5〜7時間程度コミットできるか、等の記載が必要とされてます。
2月22日の応募締切を経て受講者が選別され、講座の期間は3月1日〜19日に実施される、というしくみです。

そしてもう一つの講座は元アンドリーセン・ホロウィッツでクリエーター・エコノミーについての深い知見を持ち昨年独立して今はエンジェル・インベスターとして活躍している Li Jinさんによる、「Building for the Creator Economy」という講座です(期間は3週間、費用は1,250ドル)

講座の詳細ページの中にはCohort-Based Courses について「新しいタイプのオンラインコース」と銘打って以下のような特徴が挙げられています。


Photo by William Krause on Unsplash

ここ最近Clubhouseが話題です。国内では著名人、経営者、政治家、芸能人、お笑い芸人等も積極的に利用して、ブランド獲得、ビジネス活用、ただ単純に面白いから等の理由から、寝不足覚悟でサービスを楽しんでいる熱狂が伝わってきます。

海外に目を向けるとテスラCEOのイーロン・マスク氏がClubhouseに登場して、今更に話題となっている米新興ネット証券アプリのロビンフッドのCEOに質問をする、なんてことが起きているようです。で、そのClubhouse内での会話内容を元にした記事が執筆される、ということも今後当然起きていくことと思います。

そんな状況に対して、The Information 編集長のJessica Leesin(ジェシカ・レッシン)氏が警鐘を鳴らしています。その背景にはテック業界に対して厳しい姿勢で報道しているジャーナリストに対し、起業家、ベンチャーキャピタリスト、政治家等が取材やアクセスを制限し、既存メディアが「バイパス」される懸念があるからです。

Clubhouse、そして個人が簡単に有料ニュースレターを発行出来るサービスのSubstackに対して投資をしているベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の共同創業者のマーク・アンドリーセン氏は、多くのジャーナリストをツイッターでブロックしたり、Clubhouseから除外したり、近年大手メディアの取材に応じてないことでも知られています。また、先日の報道にあったように、アンドリーセン・ホロウィッツがジャーナリストを採用して独自のメディアを立ち上げる計画があることも懸念事項として挙げられています。

政治、金融など、ありとあらゆる業界、社会に影響力を及ぼすようになったテック業界にはしかるべき説明責任や透明性を持つべきという考え方がある一方で、自分の組織や出資先の企業に都合の悪いことは触れない可能性もありうる民間企業が運営する「メディア」の存在感が高まっていることは、既存メディア、ジャーナリストにとっての脅威といえます。

SNS上で高い知名度を誇っている米国民主党の下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏(AOC)は、Twitch やInstagram Liveなどのライブストリーミング配信プラットフォームを利用することで何万人、何十万に、既存メディアを介さず直接語りかけることが出来る影響力を持っています。Twitch上で102万人のフォロワーを持つコルテス氏は1月29日の「GME(ゲームストップ) and Retail Trading」と題したライブ配信を行い「ゲームストップ騒動」について個人投資家の売買停止措置をとった投資アプリロビンフッドの対応を「許せない」と主張したり、カルフォルニア州知事選が噂されている元Facebook幹部のChamath Palihapitiyaに直接インタビューを実施する等、今までは簡単に実現しなさそうな組み合わせの報道価値があると思われる一次情報の発信を積極的に行ってます。

トランプ前大統領程がTwitterを利用することで既存メディアを「国民の敵」としてバイパスしていたように、著名人による「マスメディアのバイパス」が今後いろいろな場面で広がるのではないかという視点、今後も注意してみていきたいと思います。

102万人のフォロワーを持つ米国民主党の下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)のTwitch配信「GME(ゲームストップ) and Retail Trading」(2021/1/29)

Hiroyasu Ichikawa

市川裕康/ ichi / media consultant focusing on tech & digital media at SocialCompany, Inc. /国内外の デジタルメディア、テクノロジー関連の調査・コンサルテイングをしています。https://note.com/socialcompany

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