この夏米国で成立した「インフレ抑制法(Inflation Reduction Act=IRA)」という名の気候変動対策法案により、クライメート・エコノミーが一気に爆発するだろう、と米国老舗メディア『アトランティック』誌の記事が指摘しています。 記事の中では先月末に投資銀行のクレディ・スイス社のアナリストが作成したアメリカの新しい気候変動法に関してのレポートを紹介しつつ、いかに今回の法律が大きなインパクトをもたらすかが述べられてます。 IRAは「今後10年、あるいはそれ以降、産業全体に大きな影響を与えるだろう。最終的にはアメリカ経済の方向性を形作る可能性がある」とクレディ・スイス社のレポートは指摘してます。その理由として主に3つの点が紹介されてます。 IRA は議会が考えているより 2 倍の支出をするかもしれない。IRAの最も重要な条項の多くは、電気自動車やゼロ・カーボン電力に対するインセンティブ等、「上限のない」税額控除が特徴。実際、多くの人や企業が税額控除を利用するため、IRAの総支出は8000億ドル(約116兆円)以上となり、議会の予測の2倍となる可能性がある。連邦政府の支出は民間投資を促進する傾向があるため、今後10年間で経済全体の気候変動への支出はおよそ1兆7000億ドル(約246兆円)に達する可能性がある。

クライメート・エコノミーは猛烈な勢いで広がる〜米インフレ抑制法がもたらすインパクト
クライメート・エコノミーは猛烈な勢いで広がる〜米インフレ抑制法がもたらすインパクト
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この夏米国で成立した「インフレ抑制法(Inflation Reduction Act=IRA)」という名の気候変動対策法案により、クライメート・エコノミーが一気に爆発するだろう、と米国老舗メディア『アトランティック』誌の記事が指摘しています。

記事の中では先月末に投資銀行のクレディ・スイス社のアナリストが作成したアメリカの新しい気候変動法に関してのレポートを紹介しつつ、いかに今回の法律が大きなインパクトをもたらすかが述べられてます。

IRAは「今後10年、あるいはそれ以降、産業全体に大きな影響を与えるだろう。最終的にはアメリカ経済の方向性を形作る可能性がある」とクレディ・スイス社のレポートは指摘してます。その理由として主に3つの点が紹介されてます。

  1. IRA は議会が考えているより 2 倍の支出をするかもしれない。IRAの最も重要な条項の多くは、電気自動車やゼロ・カーボン電力に対するインセンティブ等、「上限のない」税額控除が特徴。実際、多くの人や企業が税額控除を利用するため、IRAの総支出は8000億ドル(約116兆円)以上となり、議会の予測の2倍となる可能性がある。連邦政府の支出は民間投資を促進する傾向があるため、今後10年間で経済全体の気候変動への支出はおよそ1兆7000億ドル(約246兆円)に達する可能性がある。
  2. 現在既に世界最大の石油・天然ガス生産国であるアメリカが「世界有数のエネルギー供給国になる準備が整っている」こと。IRAは、あらゆる形態のエネルギー生産においてその優位性をさらに高め、「低コストのクリーン電力と水素の生産、インフラ、地中貯蔵庫、人的資本において競争優位に立つ」ことができる。2029年までに、米国の太陽光発電と風力発電は1メガワット時あたり5ドル以下となり、世界で最も安くなる可能性があるとレポートは予測してます。
  3. IRAは共和党の票を一票も入れずに可決されたものの、例え2024年に共和党の大統領が当選したとしても、この法律を廃止となる可能性は比較的低いと結論づけてます。むしろ、共和党寄りの州は、IRAから最も多くの投資、雇用、経済的利益を得ることができるだろう、とレポートは指摘しています。大企業にとって、IRA は「リスク軽減から機会獲得へと決定的にナラティブを変えた。企業はもはや、炭素税などの将来の気候変動規制への備えがないことを心配する必要はなく、エネルギー転換(とIRA)がもたらす経済成長を逃すことを恐れるべきなのだ、とマイヤー氏は指摘しています。

今回の記事で印象的だったのは気候変動担当のスタッフライターのロビンソン・マイヤー氏がクライメート・エコノミーの今後の発展に抱く期待と興奮です。以下は彼がクレディ・スイス社のレポートに触発され彼が綴った未来予測です。

気候変動に関連する産業で働くアメリカ人の数は、今後爆発的に増加するでしょう。気候変動関連産業は、いわゆる「テック」化する。私は高校時代、オタクで夢想家だったので、TwitterやFacebook、Flickrなど、当時のスタートアップ企業には注目していました。ちょうど『ソーシャル・ネットワーク』が公開された2010年頃、業界の価値観が変わり、技術職はダサい楽天家が選ぶ職業から、多くの野心的な大学生が選ぶ一般的な職業になったことを覚えています。気候変動に取り組む企業にも、同じような変化が訪れようとしている。機会があまりにも大きく、資金があまりにも説得力があり、問題があまりにも魅力的なのだ。

最後に、気候変動に長く携わってきた者(2015年からこのテーマを担当するようになった私も含めて)は、この新しい才能の氾濫に興奮し、謙虚ささえ持つべきである。そして、脱炭素社会への道には、常に新しい人材、投資、そして善意の注入が必要なのです。もし、あなたがまだこの業界で働いていないとしても、気候変動という問題を常に気にかけているならば、今こそ参加するチャンスです。エンジニアはもちろん、プログラマー、会計士、マーケティング担当者、人事担当者、顧問弁護士など、あらゆる人のためのスペースが用意されているのです。

気候変動との闘いは、今後4年間で、過去40年間よりも大きく変化する。私たちの人生の偉大な物語は始まったばかりなのです。ご乗船を歓迎します。

以上、とても熱量の高い記事と感じたのでご紹介してみました。気候変動、そしてClimate Tech に関しては過去に何度も「今こそネットスケープが登場した時のような黎明期だ」と予測する記事がありました。なので今回の見立てがどこまでの精度の高さを持っているのは分かりません。とはいえ、ここ数年の気候変動対策に対するビジネスを通じた取り組みの機運は肌感覚としても現実味が増していると感じます。日本とではまだ少し温度差はあるようには感じますが、いずれ訪れる潮流と信じたいものです。

📬気候変動・クライメートテックをテーマにした記事をキュレーションするニュースレターを日本語と英語で毎週配信しています。よろしければご登録ください🌏🙂

・Climate Curation(日本語): https://socialcompany.substack.com/
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▶2021年夏以降気候変動・脱炭素・クライメートテックについてnote / 日経COMEMOに公開した記事のリスト

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2022年春にスタートした気候変動・脱炭素・気候テックに関してのニュース・キュレーションも早いもので半年が経ちました(購読してくださっている方、ありがとうございます。まだの方はよろしければぜひ購読してみてください)。

📬Climate Curation 【[🇯🇵日本語] 毎週土曜日配信:海外のトレンドを踏まえ、気になった記事をピックアップしてお届けしています。Substackという配信サービスを利用:購読者数約140人[2022/10/5時点]/ 配信開始 2022/4/1】

📬Japan Climate Curation【[🇺🇸英語]毎週火曜日朝配信:日本国内で起きている出来事、報じられた日本における気候変動・脱炭素に関するニュースで、既に英語の記事として報じられている記事を約10本ピックアップしてお届けしています。ビジネス系SNSのLinkedin のニュースレター機能を利用:購読者数約760人[2022/10/5時点] / 配信開始 2022/5/2】

日経COMEMO/noteでは毎月2本ペースで2021年夏から同じテーマでその時々に気になるテーマについて書いてきました(合計22本)
📓気候変動・脱炭素・クライメートテック関連記事まとめ

半年を経て感じたこと、そして今後取り組んでみたいこと3点について、書き留めておきたいと思います。

【1】改めて感じる気候変動・脱炭素・気候テック関連のテーマの広さ

既にお気づきの方も多くいらっしゃるとおり、「気候変動」といっても、異常気象、政府や企業の脱炭素の取組や政策、エネルギー、新しい関連商品、スタートアップ、ESG等の金融の視点、カーボンクレジット、雇用、アクティビズム、電気自動車等、あらゆる事象において「気候変動」の切り口で大きな変化がもたらされています。

1人の個人で取り組むのは不可能なのでは、と感じることも実際多いものの、今はそれぞれのテーマが相互にどのようにつながっているのかを俯瞰的に理解するためにも、ニュースのキュレーションという活動を通じて全体像の理解に取り組んでいるところです。

自分なりの整理の機会として、以下のようにトピックのカテゴリーをまとめてみました(あくまで現時点における自分の興味に基づいた理解によるものです)。

  1. 自然災害・異常気象
  2. エネルギー(再エネ、水素・アンモニア、原発)
  3. 金融・リスク開示(ESG、トランジションファイナンス、炭素税)
  4. 政策(米インフレ抑制法案、ガソリンやHVの新車販売禁止等)
  5. 気候科学(IPCC等)
  6. 農業・食品・林業(代替食料、Re-Generative農業)
  7. 住居・建物(断熱、省エネ等)
  8. 産業(セメント、鉄鋼等)
  9. 交通(EV、航空、船舶)
  10. カーボン(炭素除去、カーボン・プライシング、カーボン・オフセット、CO2見える化・測定サービス)
  11. Climate Tech(スタートアップ、ベンチャーキャピタル)
  12. ビジネス(新商品・サービス)
  13. 雇用・働き方(リスキリング、公正な移行 [Just Transition]、職業訓練・教育)
  14. メディア・コミュニケーション(ジャーナリズム)
  15. アクティビズム(デモ、キャンペーン等)
  16. 政治・イデオロギー(脱成長、懐疑論・陰謀論対策)
  17. ライフスタイル・個人でできること

【2】英語圏と日本語圏でのメディア空間の「違い」

日本語と英語のニュースレターを同時に配信していて思うのは英語圏と日本語圏でのメディア空間の「違い」です。そもそもテーマとしての気候変動に関して強く興味を持ったきっかけも、昨年秋に開催されていたCOP26前後に感じた英語圏と日本語圏での関連報道量の大きなギャップを感じたからです。

海外においてはBloomberg Green、ニューヨーク・タイムズ、Financial Times等、主要メディアが気候変動領域の報道体制を強化していることも顕著に感じられます。国内においては、日本経済新聞による脱炭素をテーマにした報道量が増えている他、「NIKKEI Mobility(日経モビリティ)」、「NIKKEI GX | Green Transformation(日経GX)」等の媒体を新しく創刊する等、機運は高まっているようです。とはいえ、圧倒的に英語圏での報道が多いのは、例えばClimate Nexusが平日毎日配信しているニュースレターのトピックを眺めて見るだけでもその様子が伺えます(毎日40〜50程度のトピック別に主要ニュースの簡易見出しとリンクが紹介されるニュースレターです)。Climate Tech分野に関しては2020年初めに創刊されたニュースレター、ClimateTech VCが現在は3万5000人以上に購読されるまでに成長しているとのことです。

【3】気候変動・脱炭素関連のニュースキュレーションサービス(ワークシップ・コンサルティング・受託業務)の可能性

ここからはあくまで仮説なのですが、需要があるならば自分なりに果たせる役割として取り組んでみたいと思っているサービスです。

気候変動・脱炭素関連のトピックス、ニュース、トレンドは目まぐるしい程に移り変わりが激しく、そもそも全体像が理解できない、どのように情報収集していいかわからない、と感じる方、企業、団体も多いのではないかと感じています。そこで以下のようなサービスがニーズがあるのか、現在試行錯誤をしているところです。

【気候変動・脱炭素関連のニュースキュレーションサービス】

  1. 置かれている業界、企業規模に応じた適切なキーワードを選定
  2. チェックすべきニュース媒体、ツイッターアカウント等をリスト化
  3. 効果的なツールの精査・選別、毎日の業務フロー(収集、精査、共有)構築支援

以上のような効率的な情報収集のための仕組みづくり(セミナー、ワークショップ、コンサルティング)、或いは業務委託としてサービス提供することも想定しています。

特に英語圏の情報収集に関しては言語の壁もあり、時間がない、担当者がいないということで課題をお持ちの方もいらっしゃるのではないか、との仮説に基づいた検討中のアイディアです。

まずは『60分の無償コンサルティング』を受け付けてみて、本当にニーズがあるのか、見極めながら価値あるサービスとして提供できるか、見極めて見たいと思ってます。

ご興味持っていただいた方はメール、或いはTwitterのDM等でお気軽にご連絡いただければ幸いです。10月中に『無償コンサルティング』(先着5名・社)を通じて様子を伺いながら、また後日状況を共有できればと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

市川裕康
株式会社ソーシャルカンパニー
hiroyasu.ichikawa@socialcompany.org
090–7004–1450
📬Newsletter: Climate Curation — Japanese / English
Linkedin / Twitter / note
https://socialcompany.org/

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脱炭素化を進める方法の一つとして注目を集めている「アンモニア混焼」についての報道を目にする機会が最近増えたと感じます。

アンモニア混焼とは、石炭にアンモニアを混ぜて既存の石炭火力発電所で燃やす混焼技術です。太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電を増やそうにも国土の狭い日本では立地に適した場所が限られていること、温室効果ガス排出ゼロ削減は一足とびに実現できるものではない等の理由で、石炭にアンモニアを混ぜて発電することで、二酸化炭素の削減につながる点が評価されているようです。
2022年7月26日のNHKの記事でも分かりやすく解説がされてます。

近い将来発電を大きく変える「世界初の脱炭素技術」として、総合重工業グループIHIのYouTubeチャンネルで紹介動画が公開されてます(前編中編後編

経済産業省が主催している一連のグリーントランスフォーメーション(GX)関連の国際会議イベント、「東京GXウィーク」の一環として、9月28日には「燃料アンモニア国際会議」が開催されました。

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東南アジア市場も視野に

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9月26日のニューヨーク・タイムズの記事によると、中国では電気自動車の普及が既に広範に広がりつつあり、もはや未来の話ではなく、現実に起きている姿であることが感じられます。

・300社以上の中国企業が5,000ドル以下のディスカウントモデルからハイエンドモデルまでのEVを製造
・充電ステーションの数は1年前の2倍にあたる約400万台で今後も増える予定
・今年のEV販売台数は前年比2倍の約600万台との見通し
・新エネルギー車に対する免税措置を予定通り今年(2022年)で終了させるのではなく、140億ドル(約2兆円)を投じて2023年まで延長すると発表。

同じく9月26日の日経新聞のスクープ記事として「オリックスなどEV充電5万基設置へ 政府目標の3分の1」と報じられてます。今から5年後の2027年にはEVを充電器設置数が5倍に躍進し14万基以上になるというデータに、最近の軽EV販売の好調という背景もあり、「日本のEVシフトが進むのでは」と期待を抱かせてくれる記事でした。

記事の中には中国におけるEV充電器の設置状況を示す以下のデータが記載されてます。

政府は30年までにEV充電器を15万基に増やす目標を掲げる。国際エネルギー機関(IEA)によると、日本のEV充電器の設置数は21年で2万9193基。米国の11万3527基や欧州連合(EU)の33万3204基、中国の114万7000基と比べると少ない。人口1人当たりでも米国は日本の1.5倍、欧州は3.2倍、中国は3.5倍となっており、日本は出遅れている。

▶移り変わりの激しいデータ、できるだけ最新のデータを参照する習慣の必要性

2021年のデータと記されているものの、ニューヨーク・タイムズの記事では最新のデータとして400万基以上、しかも前年2021年から倍増、更に今後は更に増える予定とされてます。中国政府の資料によると、第14次5カ年計画(2021年–2025年)の終了までに、2,000万台以上の電気自動車の充電ニーズに対応できる充電インフラシステムの形成を目標にしていることが分かります。改めて最新のデータを参照する習慣を身につけることの重要性を感じます。

今後の東南アジアのEV市場の姿

更に9月27日付けのブルームバーグでは「中国自動車メーカー、EVの次なる成長市場へ参入」と題して、「東南アジアの電気自動車市場では、日本の既存自動車メーカーと中国・韓国からの新規参入企業、そして東南アジアの国内企業との間で激しい競争が始まっている」と、積極的な中国や韓国の電気自動車メーカーの進出の状況が描かれてます。

EVメーカーのSAIC、 Wuling、Great Wall、 BYD、Hyundai、VinFastらが今後3年間の東南アジアのEV市場の成長の大部分を獲得することができる立場にある。BloombergNEFは、同地域のEV年間販売台数が2021年の1万6000台から2025年には8万1000台近くまで増加すると予想している。これは世界的に見ればまだ控えめな数字だが、現状では、日本の既存企業は、東南アジアでの新しいEVモデルの展開を加速させない限り、この成長の大半を失うことになる。

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Climate Techの資金調達に対する注目が高まっている中でPwC、シリコンバレー銀行、Climate Tech VC等、様々な企業やメディアがレポートを作成、公開しています。今回は教育・医療・気候変動などのインパクトエコノミーに関するインテリジェンスサービスを提供するHolonIQによる、最新のClimate Tech系スタートアップの資金調達トレンドをまとめたレポートをご紹介します。

全体像を理解するのが難しいと感じるClimate Tech のエコシステムをより深く理解する上で参考になりそうな情報が数多く掲載されてます。

今回のレポートは2022年上半期、2022年6月30日時点の情報を取りまとめた内容となっていて、968件以上のディールを通じ、268億ドルのベンチャー投資が行われたことを示しています。

世界には47社のClimate Tech系ユニコーンが存在し、過去10年間に総額460億ドル以上の資金が調達され、その総価値は現在1310億ドル以上と報じられてます。

2022年上半期の投資分野ごとの比較をまとめた以下の図からは、ソーラー、バッテリー、データ、EV分野への投資の存在感が大きいことが伺えます。

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ボッシュ、スタンフォード大学、Terra.do、On Deck Climate Tech — 最近は気候変動・脱炭素分野の人材育成についての話題を目にすることが多く、印象的な記事の概要と感じたことを以下いくつかご紹介させていただきます。 ▶「グリーン人材」を誰がどこで育成するか問題 経済産業省が今年の5月に公開した「未来人材ビジョン」という100ページを超えるレポートが先週SNS上で話題になっていました。概要は以下の記事[6/30/2022 プレジデント]にまとめられてますが、個人的に印象深かったのは7ページと40ページに記載されていた「脱炭素化による雇用創出と喪失効果」と、「企業は人に投資せず、個人も学ばない。」と題されたデータです。 日本人の「勤め先に期待しない割合」は世界最悪...経産省が「これはヤバい」と顔面蒼白になった衝撃データ 渾身の提言「未来人材ビジョン」が訴えること 「日本企業の部長の年収は、タイよりも低い」。そんな刺激的な文句の並んだレポートが、今年5月、経済産業省のサイトに掲示された。省内に設置された「未来人材会議」がまとめたもので、結語では「旧来の日本型雇用システムからの転換」を求めている。壮大な…president.jp

「グリーン人材」を誰がどこで育成するか問題 ~ 広がる大学、企業、オンライン講座の試み~Climate Curation #15
「グリーン人材」を誰がどこで育成するか問題 ~ 広がる大学、企業、オンライン講座の試み~Climate Curation #15

ボッシュ、スタンフォード大学、Terra.do、On Deck Climate Tech

最近は気候変動・脱炭素分野の人材育成についての話題を目にすることが多く、印象的な記事の概要と感じたことを以下いくつかご紹介させていただきます。

▶「グリーン人材」を誰がどこで育成するか問題

経済産業省が今年の5月に公開した「未来人材ビジョン」という100ページを超えるレポートが先週SNS上で話題になっていました。概要は以下の記事[6/30/2022 プレジデント]にまとめられてますが、個人的に印象深かったのは7ページと40ページに記載されていた「脱炭素化による雇用創出と喪失効果」と、「企業は人に投資せず、個人も学ばない。」と題されたデータです。

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今回取り上げたいのは「クライメートテック(Climate Tech)」ということば、成長しつつある業界、学びの機会、キャリアのあり方についてです。 世界的な気候変動の問題を解決するためのテクノロジー、スタートアップ業界を指すこの言葉が海外で頻繁に使われています。今週1週間を振り返っただけでも以下のようなことがありました。 6/30:気候変動についてのオンラインスクール「Terra.do」主催によるジョブフェアの開催(20社のクライメートテック企業が参加、約200人が参加)。時差の関係で夜中1時スタートでしたがプレゼンテーションをする各社の担当者は不況下でも積極的に採用活動に取り組む熱意が強く感じられました。 6/29:今年の春受講した「Terra.do」の同期が集まり、2ヶ月後のキャリアの変化、受講後に取り組んでいることを共有する機会がありました。同期約100人のうちの小グループ20人程のグループの中で、受講後に既に新しくクライメートテック企業に転職したと報告した人が少なくとも既に5人もいて、とても刺激を受ける機会でした。転職先はサステナブルなプロダクトを販売プラットフォーム企業、仕入れや在庫をAIを活用して最適化し店頭の食品鮮度を管理するサービス提供会社、自治体や都市計画策定者向けにデータやインテリジェンスを提供する会社、ReFi( Regenerative Finance=再生金融)関連企業等、分野こそ違えど、クライメートテック領域の注目企業に次々と人材が移動していく様をリアルに感じられる機会でした。次回は4ヶ月後、受講終了後6ヶ月後のチェックインが開催される予定ですがその時に自分が何を報告できるかを考える機会でもありました。

広がりつつあるクライメートテック(Climate Tech)についての学び・キャリアの機会 — Climate Curation #14
広がりつつあるクライメートテック(Climate Tech)についての学び・キャリアの機会 — Climate Curation #14

今回取り上げたいのは「クライメートテック(Climate Tech)」ということば、成長しつつある業界、学びの機会、キャリアのあり方についてです。

世界的な気候変動の問題を解決するためのテクノロジー、スタートアップ業界を指すこの言葉が海外で頻繁に使われています。今週1週間を振り返っただけでも以下のようなことがありました。

  • 6/30:気候変動についてのオンラインスクール「Terra.do」主催によるジョブフェアの開催(20社のクライメートテック企業が参加、約200人が参加)。時差の関係で夜中1時スタートでしたがプレゼンテーションをする各社の担当者は不況下でも積極的に採用活動に取り組む熱意が強く感じられました。
  • 6/29:今年の春受講した「Terra.do」の同期が集まり、2ヶ月後のキャリアの変化、受講後に取り組んでいることを共有する機会がありました。同期約100人のうちの小グループ20人程のグループの中で、受講後に既に新しくクライメートテック企業に転職したと報告した人が少なくとも既に5人もいて、とても刺激を受ける機会でした。転職先はサステナブルなプロダクトを販売プラットフォーム企業、仕入れや在庫をAIを活用して最適化し店頭の食品鮮度を管理するサービス提供会社、自治体や都市計画策定者向けにデータやインテリジェンスを提供する会社、ReFi( Regenerative Finance=再生金融)関連企業等、分野こそ違えど、クライメートテック領域の注目企業に次々と人材が移動していく様をリアルに感じられる機会でした。次回は4ヶ月後、受講終了後6ヶ月後のチェックインが開催される予定ですがその時に自分が何を報告できるかを考える機会でもありました。
  • 「Terra.do」のメンタープログラムを通じ、クライメートテックのマーケティングエージェンシーを経営し、Slackでのコミュニティ・メディア「Tofu」を運営しているBettina GrabさんとZoomでお話をする機会を得ました。印象的だったのは彼女自身が2年ほど前にイギリスから米国ベイエリアに引越をし、それまでのB2Bマーケティングの経験を活かしてゼロから「クライメートテック・マーケティング」の実績を挙げ、同じような業界の仲間を募りコミュニティを生み出したとのことです。彼女からは「こんな方にも会ってみては」、ということで1週間で3名もの先駆者のみなさんを紹介頂きとても感謝しています。地球規模の気候変動問題を解決するというミッションに基づいて活動をされていることもあってか、周囲の仲間、そして業界を盛り上げていこうとする配慮、コミュニティ・スピリットを強く感じる機会でした。
  • 6/23:クライメートテック業界への転職支援、そのための知識・リテラシー習得のための学習機会、ネットワーキング・メンタリング機会の提供も特に英語圏では毎月のように新しい取り組みが進化していることを感じます。以下のウェブサイト「Climate Tech Careers」は、「On Deck Climate Tech」というフェローシッププログラムを運営している人が作成した情報源のリンク集です。「1対1」のビデオチャットを何百回としていつも聞かれる質問への問いを整理して共有するために作成したとのことです。日本語版もいずれ作成してみたいですね🤞
  • 6/29 &30:クライメートテックの現状と今後を分析した包括的なレポートを3つ目にしたこともあり、簡単にブログで紹介記事を書いてみました()。
  • レポートを作成したのはそれぞれ①コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)、②米国シリコンバレー銀行、③インパクトエコノミーに関するインテリジェンスサービスを提供するHolonIQ ですが、国内とは違う次元でキャピタル、人材が集まり、不況下にあっても成長を続けていることが伺えます。
  • 6/30:CO2排出量見える化クラウドサービスを提供するアスエネ株式会社作成によるクライメートテックのカオスマップが公開されました。 欧米に比べるとまだスタートアップの数や規模も小さいながらも、少しずつ機運が盛り上がりつつあることを感じます。

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コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が6月下旬に『2021年版気候テックの現状〜脱炭素ブレイクスルーの拡大に向けて』と題したレポートを公開しました。概要を簡単にまとめたnote/日経COMEMOでの記事を書いてみました。 書いた直後に4月下旬に米国シリコンバレー銀行が作成した「The Future of Climate Tech」というタイトルのレポートが公開されていることに気づいたこともあり、併せてご紹介したいと思います。 Climate Techは日本語では「気候テック」「クライメートテック」等呼び方も定着してない状態ではありますが、米国、欧州を中心に新しい重点投資領域としてのリサーチ、投資、起業のペースが少しずつ上がっていると感じます(インフレ、ハイテク新興企業の不況が指摘されている最中においてすら)。こうした際、数字、データが曖昧なまま感覚的に「どうやらクライメートテックが流行っているらしい」という議論にならないよう、今後こちらのブログ(www.SocialCompany.org)では定点観測的にデータ、レポート、注目記事等を綴っていきたいと思います。私自身もまだまだ咀嚼しきれてない状況ではありますが、少しずつ全体像を把握して、体系的な知見を得る情報を整理していくことができればと思ってます。

The Future of Climate Tech〜各種レポートから伺うクライメートテックの定点観測
The Future of Climate Tech〜各種レポートから伺うクライメートテックの定点観測

コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が6月下旬に『2021年版気候テックの現状〜脱炭素ブレイクスルーの拡大に向けて』と題したレポートを公開しました。概要を簡単にまとめたnote/日経COMEMOでの記事を書いてみました。

書いた直後に4月下旬に米国シリコンバレー銀行が作成した「The Future of Climate Tech」というタイトルのレポートが公開されていることに気づいたこともあり、併せてご紹介したいと思います。

Climate Techは日本語では「気候テック」「クライメートテック」等呼び方も定着してない状態ではありますが、米国、欧州を中心に新しい重点投資領域としてのリサーチ、投資、起業のペースが少しずつ上がっていると感じます(インフレ、ハイテク新興企業の不況が指摘されている最中においてすら)。こうした際、数字、データが曖昧なまま感覚的に「どうやらクライメートテックが流行っているらしい」という議論にならないよう、今後こちらのブログ(www.SocialCompany.org)では定点観測的にデータ、レポート、注目記事等を綴っていきたいと思います。私自身もまだまだ咀嚼しきれてない状況ではありますが、少しずつ全体像を把握して、体系的な知見を得る情報を整理していくことができればと思ってます。

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市川裕康 | Hiroyasu Ichikawa

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市川裕康/ ichi /media consultant passionate with #climatechange | #気候変動 #クライメートテック 関連調査・コンサルテイング https://bit.ly/climatecuration